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静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 8

静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプMK-14は一応落ち着いた。ただ、まれにチュルチュルとかキュルキュルといったかすかな雑音がでる。左側がおさまったと思ったら右側から出たりする。 ヒーター・バイアスは機能している筈で、真空管以外にも雑音の要因があるのかも知れない。ちなみにSR-5改の高圧バイアスを230 Vのノーマルバイアスに戻すと能率が下がるが変な雑音は聞こえないようだ。 ヘッドホンの高圧バイアスの電源とヒーター・バイアスは同じ抵抗アレィで異なるポイントから取っている。それぞれ1 uFとか2.2 uFとかでバイアスはしているのだが、この電源の取り方に問題があるのかも知れない。 要因はヒーター・カソードの漏洩電流だけでは無かったのだろうか?SR-5改の挿入していたリング状のスペーサを取り去って電極間隔を元に戻し、ノーマルバイアスでの使用に戻した方が良いと判断した。付け焼刃のプロバイアス化が不規則雑音のような不安定な動作を引き起こしている可能性は排除できない。Staxではノーマルバイアスからプロバイアスにバイアス電圧が上げられたときに絶縁性というか、どのような漏洩電流対策や静電対策が行われたんだろう? MK-14は55.6 dB程度の利得があるので、SR-5改の能率が6 dB程度下がっても現在の使い方では問題は無い。暫くノーマルバイアスに戻して聞いててみよう。

静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 7

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左chにだけ時々チュルチュルとカサコソというノイズが混じる。真空管を替えてみたがあまり変わらない。そこでヒーター・バイアスを384 V→405 V程度に上げたところ、ノイズは聞こえなくなった。念のためヒーター・バイアスやヘッドホンのバイアス電圧の分圧ポイントにはバイパスのために手持ちのフィルム・キャパシタを入れておく。 SR-5改の周波数特性を計ってみた。勿論、 10年程以前に4個100円で 秋月 電子で購入したWM-62PCなので、得られた測定結果がどれ位正しいかは不明だ。 以前は百均のパテをこねていびつなカプラっぽいものを作って計測したのだが、今回はフラットな発泡スチロールにマイクを埋め込んでみた。パテ製カプラは捨てたと思っていたのがジャンク箱の奥から出てきたので、それをマイクに装着することも出来る。このSR-Xはスペーサを入れてバイアス電圧を上げているし、イヤ・パッドもオリジナルではないし、振動膜のコーティングも何度かスプレーしており、今回の測定結果が標準的なSR-5のものではないことは予め理解して読んでほしい。測定は、今は公開されていないらしい Bachagi.hさんのMySpeakerを使った。最近、他のフリー測定アプリも利用できるらしいが、MySpeakerは使い慣れているので。 カプラ無しで測定してみるとちょっとハイ上がりだが そこそこフラットだ。 そこで、イヤ・パッドを装着して測定すると; 500 Hz~1 kHzが少し盛り上がって5 kHz以上にアバレが出て来た。聴いているときには500 Hz~1 kHzが盛り上がっているという感覚は特に無いのだが。 パテ・ カプラをかかませると高音域のアバレが減少するが、全体の傾向は変わらない。ただこの測定結果は1月に行った測定結果と大分違う気がする。違うのはイヤ・パッドと振動膜と前後の電極との距離を広げてプロバイアス化、そして振動膜の再々コーティング。色々魔改造が進んでいる。この測定結果の違いはイヤ・パッドの違いだろうか? DenonのAD-H2000系列用のサードパーティ製のイヤ・パッドを使っているのだが、オリジナルに比べてやや分厚い。ふと思い出したのはStaxのSR-Xシリーズのパッドだ。時期としてはSR-5と同じころなのだが、SR-5が廉価版とされていたのに対し、より高性能なものとしてSR-Xと言うシリー

静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 6

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  +320 V、0 V、-384 Vの電源を+704 V、384 V、0 Vの電源に直した。途中で洗濯機の排水パイプの繋ぎ目を弄っていたら外れてしまって、重い洗濯機はちょっとやそっとでは持ち上がらず、横に傾けて何とかパイプを元に戻した。と思ったら、洗面台のシンクがおかしく、これも下のU字パイプを分解・清掃にする羽目に。。。。その後は洗濯物を乾燥し、パンを買いに行って、集中した半田鏝を握れなかったが、何とか少しずつ弄った。古い古い電解キャパシタの採用はやめて、どうせ電源部に入っているので、アンプ部にはフィルム・キャパシタを入れておけば良いだろうと考えた。704  V を適当に分圧して580 Vと230 Vのバイアス電圧を作る。 ヒーター電源は12 Vの三端子にダイオードの順方向電圧降下を利用して0.6 V程嵩上げして12.6 Vを作っていたが、ダイオードをパスして12 Vにした。用いたブリッジ・ダイオードの順方向電圧降下が大きく、 三端子に十分な電圧がかからないことがあるようなので。ブリッジ・ダイオードをショットキータイプにすればいいのだが、基本ジャンク部品で作っているので仕方あるまい。 ハムは出なくなった。アンプの所為かSR-5改の所為かは不明だが、時折歪っぽいがそんなには気にならない。 静かな夜半には、片側から微少なキュルキュル音が聞こえるし、反対側は微少ながら断続的にカサコソ・ノイズが出たり消えたりする。ヒーター・カソードの絶縁不良なのか、ソケットの接触不良なのか判断が付かない。 6463のヒーターはフローティングにしていたが実は気になっている。直流バイアス(380 V位)を加えることにした。 しかし、カソードの定電流回路(TL431)の上にrp 1.5 MΩ位(定電流性)の五極管(12AU6)が乗って、さらにその上にやや定電流的なSRPPの上側(直流域で数10 kΩ、交流的には数百kΩ)が乗ってるので、商用電源電圧がちょっと揺れると回路の電圧バランス全体が大きく狂う。定電流ダイオードの直列は駄目だよね。B電源を安定化するべきかな! どうしようもなくなったらLM317でMaidaレギュレータという手もあるが、手元に900 V級のMOSFETが無い。もっと簡単に手当てをしたい。そこで12AU6のスクリーン・グリッドに出力側(プレートに繋ぐと折角の高負荷抵抗がちっ

静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 5

SR-5改の調子が極端に悪くなってきた。まず能率の低下。特に右側。筐体の中の振動膜Assyを左右入れ替えると能率も入れ替わるので振動膜Assyに問題がある。しかも反対側も決して能率が高いわけではない。静電気除去スプレーSB-8を振りかけても、直後は回復するがすぐ低下してしまう。しかも低音域を中心に歪がある。まるでバイアス電圧が急激に低下したような症状だ。やはりノーマルバイアス(230 V)用にスペーサをかませてプロバイアス(580 V)にするのは無理があるのかも知れない。まあ、STAXの人が聞いたら怒るだろうが、ここは自己責任の趣味の実験なのでご寛恕いただきたい処。 振動膜Assyは振動膜を二枚の金属(多分アルミ)板(0.5 mm厚)で挟んだ構造である。コーティング処理の後、振動膜への電荷の供給がだんだん止まるとすると金属部分と膜との境目に問題がありそうだ。振動膜を挟んでいる筐体の絶縁も疑ったが、両側の電極とバイアス電極の間の絶縁は10^10 Ω以上で多分大丈夫。そこで2枚のアルミ板の間の抵抗値を計ると、能率の低い方は数十 kΩと高い。能率の高い方はほぼ0 Ω。そこで能率の低い方の2枚のアルミ板の境目に鉛筆を擦り付けると抵抗値は下がるものの安定しないので、膜のコーティングを行ってから両面を導電性アルミテープで繋いでみた。 コーティング剤には不安定なSB-8を諦めて、海外で静電型スピーカのコーティングとして評判の高いLicron Crystalスプレーをたっぷり振りかけた。こいつは乾燥に時間が掛かるのでベランダの洗濯物ハンガーにぶら下げて乾燥させた。振動膜はいろんなスプレーをかけたり、イソプロピルアルコールで洗ったりとひどい扱いを受けて随分へたってきた感じだ。Licron Crystalをスプレーしたら均等に広がらずぽつぽつと濃淡模様が出来てしまったが、気にしないことにした。膜をじっくり見てて思ったのだが、張力がへってきたようだ。傷もある。乾燥を確実にすることと同時に張力が上がることを期待してへアドイヤでしっかり加熱してみた。 組み立てていたら、プラ板で作ったスペーサが1枚どっかに飛んで行ったので、慌てて作り直した。組み立ててからアンプMK-14に繋いで聴いてみると、えらく能率が向上したし低音域の歪の減少した。まだ、ドラムス等のパルシヴな入力や大きな音のところで時々歪

静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 4

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 カソード側の定電流回路が4回路あるのだがそのうちの1回路だけ具合が変で、その結果プレート電流が揃わない。よくよく見ると2.2 kΩのとことに220 Ωが付いている。おまけには11回転ポテンショメーターの抵抗値も間違っている。あっちこっち弄っている間に間違えたらしい。ずっと半導体を疑っていたんだが。本来の2.2 kΩに戻したらちゃんと働いた。 スクリーン・グリッドの電圧は元に戻した。 はんだ付けの甘いところを直し、接点の接触を見直したらとりあえずカサコソ雑音は消えたようだ。6463のカソードからSR-5改へ繋がるコネクタへの配線をどうしようか。キャパシタと抵抗のローカットフィルタを入れてしっかり直流を切った方が良さそうに思い、実行した。そうすれば耳元に高電圧といった不測の事態も避けられる。ただ、出力部にキャパシタを噛ませるのなら、±電源にしなくても良かったな、とりあえず安全志向で。 SR-5改の左右バランスについては、左側が弱いので振動膜Assyを取り出してみた。少し汚れて多少へたった感はあるがまだ使えそうだ。残量が少なくなったSB-8のスプレー缶を取り出してき両面にスプレーし、軽く拭いて組みなおしたら左右がほぼ揃った。聴感も随分と自然になった。試作機の音がいがらっぽく感じる原因のひとつ(全部ではない)は左側ユニットの不調の所為かも知れない。 数時間後、また左側ユニットの音圧が下がってしまった。どうしよう?とりあえず左右ともにばらして振動膜Assyだけを入換えてみたらほぼ揃った。何が悪さをしていたんだろう?接触?リーク?元々がノーマル・バイアス仕様のSR-5にスペーサをかませてプロバイアスにしているためか、ドラムスのような大振幅にはちょっと弱い気がする。 何度も分解と組立てを繰り返してきたため発音Assyを組み立てるところのいもねじの入るねじ穴のねじ山が少しつぶれかけている。これはそのうち何とかせねば。プラリペアでネジ山再建かな? ACバランスについては可変抵抗器の摺動端子に接続されたキャパシタと接地の間に10 kΩの抵抗を1本入れて調整し易くした。この抵抗の両端のAC電位差を計りながら、可変抵抗を調整し電位差が最小になったところでACバランスはOK。でもどう調整しても0にはならない。何故?同相成分? チョン付けと空中配線でシャーシのなかはぐじゃぐじゃ。しかし、ちゃ

静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 3

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帰宅したら息子が来ていた。娘とゲームするらしい。 夕食後のわずかな時間を利用してスクリーン・グリッド回路をシンプルにする。同時に、プレート間に入れた抵抗の 値を変えてゲインをもう少し下げ、使われなくなった可変抵抗を真ん中に挿入してACバランスを調整できるようにした。これはなかなか便利。左右のゲイン差はほとんど感じないのでチャンネル毎のゲインの微調整回路は今回は取り入れていない。 スクリーン・グリッドの電源はアンプ部と電源部の基準となる0 Vの線から取っても良く、当初はそうしていたが、アンプ部と電源部のアースを繋ぐコードにはなるべく電流を流したくないので、+320 Vと-384 Vの間でブリーダー電流を少し流して抵抗で分割して得ている。+320 Vにはサーマル・リレー管を入れているので真空管が温まる前にスクリーン・グリッドに高い電圧が掛かることは無いだろう。仮に12AU6がヒートアップしていなくてもパスコンの耐圧は超えない。入れてあるのは50年物のニッケミだが。 抵抗類は2パラ、3パラ、シリーズ、取り乱れてジャンク総動員で適当な値を作っているし、シャーシは狭いし、空中配線だし。。。バラック組みはそろそろ限界なので本当は大きめのシャーシに作り直したい気分。 12AU6のプレートから上側の6463のグリッドに繋がるフィルム・キャパシタの容量が大きすぎるので此処の時定数が大きく、したがって半固定抵抗を一寸弄っても電圧が変化し落ち着くのに時間がかかる。このキャパシタは1/10程度の容量に換えるべきだろう。ジャンク部品に依存しているとこうなる。 入力部はピンジャックと12AU6のコントロール・グリッドの間に400 V近い電位差があるので1000 V耐圧のフィルム・キャパシタを入れてある。 スクリーン・グリッドはカソード側定電流回路の効果を補足したくて二本の12AU6を繋いで抵抗で給電しているが、150 Vは少し高すぎるかも知れない。130 V程度を試してみたい。 調整の順番は、まず12AU6のプレート抵抗両端の電位差(試作機ではプレート電流6 mAで120 Vに設定、つまりこの抵抗値は20 kΩ)を見ながら全ての12AU6のプレート電流を6 mAに合わせる。次に6463のバイアスを加減する半固定抵抗で12AU6のプレート電圧をおよそ250 Vに調整する。ここで6463のカソード

静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 2

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MK13改+Stax SRD1modoki-2で不満は無いが重いし、50CA10が4本もあると夏は少々熱い。 前から考えていた。SRPPの下側を五極管にして上は三極管の所謂ぺるけドライブを差動にして、そのままだとSR-5改をドライブするにはゲインが不足するので上側をμフォロワーの形にするのを試してみた。 なるべく安く上げるために部品は基本的にジャンク箱の中のもので、最低限のものを購入するという基本方針を立てた。 あくまで実験用なので、弄りやすいように電源部とアンプ部はシャーシを分ける。バラック組立でハンダもチョン付け。 電源トランスは重量比で格安だったトリオの送信機(多分TS-520)のもの。明らかにオーバースペックだが大は小を兼ねる?ブリッジ整流して頭の膨らんだ電解キャパシタとオーバー50歳のタンゴのチョークでπ型フィルタを入れておく。上側と下側のヒーターはともに直流12.6 Vで3端子レギュレータで。上側と下側はEhkを考えて別にする。下側のヒーター電源はついでにカソードに入れる定電流回路の負電源ともなる。 0 Vを挟んで+320Vと-384 Vの電源で計704 Vにもなるので、慣れていない方は触らない方が無難。あくまで自分の趣味・実験用で、他の方にはお勧めしない回路であることを明記しておく。 真空管のウォームアップ・タイムが揃っていないので遅延回路を入れようと思い、アナクロなサーマルサイクラ―管(120 秒遅延)を入れた。が、接点が劣化しているのか何度かパチパチ火花が飛んでいる。かといって代わりの管は手元に無い。まあ、一応通電して使えているからいいかな。そのうち、555とリレーでタイマー作るかも? SR-5改用のバイアス用に580 Vはブリッジ倍圧整流で660 V程得られたのでそれから抵抗で分圧して得た。 下側の増幅段は6AU6の12 V管の12AU6(8426A)。これの差動1段だけでSR-5改をドライブするだけのゲインを得る予定。五極管のゲインはGm×負荷インピーダンスで決まるので、上側の定電流回路兼インピーダンス変換段は6463。ちょうど6FQ7(6CG7、6SN7)と同じくらいのμでrpが半分くらい。当初7044も考えたがヒーター電力が大きい割に直線性は6463の方がちょっと良さそう。 入力は回路的にはアンバランス入力でもバランス入力でも対応できる回路