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4月, 2023の投稿を表示しています

静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 30

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 少しずつ改変。  プラス・マイナスのB電源は定電圧電源のおかげて安定している。しかし、100 Vや33 Vのツェナー・ダイオードがあまりに温度に左右されるので5.1 V 200 mWの表面実装型(UDZV5.1B)をユニバーサル基板の上で20本直列にして約101 Vを、26本直列で約133 Vを得た。老眼なのにルーペで確認しながらの手半田は今後たびたびはやりたくないが、おかげで温度変化に対してかなり安定になった。UDZV5.1Bを1個どっかに落としてしまい、まだ見つかっていない。  電源電圧が安定しているにもかかわらず、アンプ部のシャーシの温度が上がるにつれ出力端にでる直流電位が上がる。何かが温度センサーになっているらしい。温度が上がった状態で調整して良しとしているが、季節によって変化するかも。現状では、十分に暖まった後は出力端子で±2Vに収まっている。温度センサーとなっているのは出力段の共通カソードのセメント抵抗あたりだろうか?しばらくは様子見だが、夏場に出力端の直流電位が大きく変化するようなら、セメント抵抗にダイオードをいくつか直列に入れて温度補償してみるか?もちろん抵抗値は調節するとして。直流帰還やサーボを導入するほどではない。  入力部分に直流カットにフィルム・キャパシタ(10 µF 50 V)と不要な高周波をカットするべくスチロール・キャパシタ(200 pF 500 V)を付けてみた。フィルム・キャパシタは以前買い置きしたWIMAのMKS2タイプで、以前偽物騒ぎがあったので、本物かどうかは分からない。スチロール・キャパシタの前にエナメル線でも巻いてµHレベルのコイルを入れようかと思ったが、今回はパス。この入力部分はユニバーサル基板に組んでメッキ線の空中配線でキヤノン・レセプタクルに結線した。あとで固定方法を考えるつもり。  100 kΩの2パラ・3シリで作っていた150 kΩも3 W型の単体に換えた。B電源電圧の変更にも関わらずヘッドホンのバイアス電源用の分割抵抗がそのままだったので修正。3端子レギュレータのピンの書き間違いとか入力のキヤノン・レセプタクルの端子の間違い等々恥ずかしいミスも修正。まあ、そのままマネする人は居ないだろうから実害はあるまいが...  ただ、今回の回路は6463よりもGT管の6SN7GTBあたりの方が合っているかも。6SN7系は

静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 29

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 電源部も何とか形になってきた。MTP2P50EGが海を渡ってきて予定より少し遅れたが無事到着したので2SJ181Sのパラに入れ換えてみた。MTP2P50EGもすでに生産中止されているらしいので、ちょっと心配だったか、まだ在庫があるのだろう。ちょっと印字がかすれてはいるが偽物ではなさそうだ。MTP2P50EGのデータシートをみると寄生ダイオードは描かれているがゲート・ソース間のツェナーは描かれていない。ゲート・ソース電圧は最大±20 Vなので念のため20 Vのツェナーダイオードを2本突合せにして繋いでおく。2SK3067 の方は寄生ダイオードもゲート・ソース間のツェナーも描かれているのだが。  整流ダイオードにはすべてセラミック・キャパシタを直近でパラに入れた。足が磁石にくっつく廉価なキャパシタだが、整流ノイズを軽減する意味ではたぶん大丈夫。整流ダイオードの入り口のところにはスナバも用意したが、効果があるかどうかは未確認。  電源電圧は+300 Vと-400 Vに再調整した。スイッチを入れてしばらくは真空管のヒーターだけに給電され、20数秒後にプラスマイナス電源の給電が始まる。電圧の絶対値はじんわりと上がってから安定する。高電圧ツェナーの避けがたい特徴として温度特性が悪いのでちょっと安定性には欠けるが、大きな問題ではないだろう。基板に息を吹きかけると電圧が変わってしまうのはカッコ悪いと言えばカッコ悪いが実害はない。ツエナーに一般的なダイオードを直列に繋いで温度補償するのが一般的な解決法だが、今回の100 Vや133 Vでは直列に入れるダイオードの数が多くなってちょっと大変である。  プラスマイナスのそれぞれにアンプ側で入れた10 µFの電解キャパシタを取り除き1 µF630 Vのフィルム・キャパシタだけとしたが、安定化電源のおかげで問題はなさそうだ。そのうち、安定化電源のインピーダンス周波数特性を測ってみて問題があればまた改良すればよいと思う。単なる気のせいかも知れないが電解キャパシタを取り除いた後の方が高音がすっきりしていて私には好ましく感じる。 回路は以下の通り;

静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 28

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腕の痛みが小さくなって、はんだ鏝を持てるようになってきた。 安定化電源部回路はあれからブレッドボードで試したり、回路を変えたり、配線を間違ったり。 プラス側は2SK3067、マイナス側は2SJ181Sのパラ。2SJ181Sでは力不足だが仕方ない。MTP2P50Eが手に入れば取り換える予定。適当なP-chのMOSFETは種類も少なく、入手し難い。 当初、短絡保護回路(電流制限回路)を付け加えることを考えていたが、組んでみると思惑通りには動かず、省いた。配線ミスで2SK3067と2SJ181Sをそれぞれ1個ダメにした。安定化電源回路のためプラス側は300 V、マイナス側は-400 Vとして、それに合わせて増幅回路の方も少し手を入れた。現状の回路は以下の通り。 2SK3067と2SJ181Sも多分廃番でしょう。まだ手に入る可能性はあるけど。

静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 27

 プラスマイナスのB電源、オシロで見るとえらくフラフラしている。数~10 Hzのようで、しかもかなり高い周波数のノイズも乗っている。うちの商用電源はかなり汚いようだ。  さてどうするか。MOSFETでリップルフィルタか定電圧電源回路を作るのが最もイージーな解決策だ。ジャンク箱にはまだ2SK3067が残っている。残念ながらPチャネルのMOSFETは手元にないので、2SK3067で作った回路を二段重ねにするしかないかも。  その場合、アンプ部側の電解キャパシタが邪魔である。ヒーターが充分熱くなって、プラスマイナスのB電源のディレータイマーがオンになると電解キャパシタを充電するために大電流が流れてMOSFETが飛んでしまうだろう。  回路の出口、すなわちMOSFETのソース側に大きな電解キャパシタは入れられず、せいぜい10 μF程度だろう。プラスマイナスのB電源のブロックタイプのキャパシタは取り外すことになる。そうなると、工夫したカソードフォロワのバイアス回路の電解キャパシタもマイナス側のB電源にはいっているので取り外すことになる。左右チャンネル合わせると70 µF位にはなる。定電圧回路にすれば、ツェナーダイオードも取り外せるし、雑音対策で入れた電解キャパシタも外せる。  カソードフォロワのバイアス回路の電解キャパシタをそのままで突入電流を防ぐには、抵抗1個とトランジスタ1個で電流制限の回路を付けておくという手はある。定常状態で50 mA程度の電流が流れるはずなので、例えば70 mAとかでMOSFETがオフになるようにしておけば良い。MOSFETの消費電力が瞬間(1秒位?)大きくなるが多分大丈夫。これは瞬時なら短絡対策にもなる。ただ、リップルフィルタや定電圧回路の後に大容量のキャパシタはあまり入れたくない。MOSFETのソースの方がドレインより高電位になりかねないし、電圧変動への応答も悪くなりそうだ。  ということで、方向性が定まった。プラスマイナスB電源に直に入っているブロックタイプの電解キャパシタもカソードフォロワのバイアス回路の電解キャパシタも取り除く。プラスマイナスB電源には10 µF程度は入れておこう。  リップルフィルタか定電圧電源回路かは未定。定電圧電源なら電圧変動に対応させるために入れたカソードフォロワのバイアス回路のツエナーダイオードも抵抗に置き換える。