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Stax SR-5 with SRD6 (2)

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 Stax SR-5、調子がいい。左右のバランスは、よく聞いてみると左が僅かに弱いようだ。そこで、左側のケースのイヤーパッドをそっと取り外して、3本のボルトを緩め、そっと開いてみた。振動膜等の納まった発音ユニットは防護のためのプラスチック膜で守られている。全体にとてもキレイだ。 プラスチック・ケースのヒビは瞬間接着剤でなるべく目立たないように修復。頭に被せるアークの部分から伸びるステンレス製のツルが噛み合うイヤースピーカー本体に埋め込まれた小さな棒状の金具の内のひとつがプラスチック・ボディーからすぐに外れてしまうので、そこも少量の瞬間接着剤で固定。この小さな金具が行方不明になると厄介だ。 内部の発音ユニットは今回は触らずにケースを閉じた。そこで、SRD6改に繋いで聞いてみたが問題無い。いや、左右のバランスも全く問題ない。信号ケーブルとステータの間に接触不良があったのかも知れない。ケースを開けて閉めた際に接触が回復したのかも? SR-5は1975年に発売されたらしい。私は大学生だった頃だ。ダイヤトーンのP-610B(8Ω)を安売りのデコラ張りの炬燵天板に挽き回し鋸で穴を開けて(しんどかった)取り付け、安価だったNIKKOのプリ・メイン(後に自作の6CA7三結PP)で聞いていた。Staxの製品は高値の華であった。気にはなっていた。 SR-5は1980年代初頭まで販売されていたらしい。当時のStaxではベーシックな製品だったようだ。高校生のときに触れたSR-3とよく似た外見をもった製品である。ネット・サーフィンするとStaxの歴史等について詳しく調べて公開されている方が複数おられるし、修理記録や専用のアンプを作成されたり、様々なイヤースピーカー用ドライブ回路のシミュレーションをされている方もいる。そのような愛好家の広がりがあるのもStaxイヤー・スピーカーに魅了された方が居るからだろう。 当時から専用のドライバー(アンプ)を製作するマニアも多く、 スタックス工業(株)はユーザー・フレンドリーな会社で、専用のコンセントも安価で頒布していた。現在 の 有限会社スタックスは頒布してくれるのだろうか?SR-5の具合も良く、ひとつドライバー(アンプ)を作ってみたくなってきた。120 pF程度の容量負荷に100 V RMS 程度の最大出力といえどもいざ設計するとなると結構大変である。

Stax SR-5 with SRD6

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 高校生だった頃、友人がSTAXのヘッドフォンSR-3を持っていた。STAXはヘッドフォンと呼ばずイヤースピーカーと称する。ちょっとだけ聞かせてもらった。高音質であることは分かったが、やや神経質な音で、欲しいとは思わなかった。曲が良くなかったのかも知れない。確かマーラー。リパッティのショパンとかグールドのバッハでも聞いていたら貯金したかも知れないが。 STAXは静電型とは呼ばず、コンデンサー型と称する。STAXの創業者である林 尚武 氏 (1906年〜2000年) 以来の伝統である。株式会社としてのスタックスは1995年に無くなり、その後は有志によって有限会社としてブランドを継承し、理解ある中国企業の傘下に入って伝統を引き継いでいる。 林 尚武 氏はラジオ技術に発表予定の製品の解説を行ったりされていた。静電型トランスジューサ―に対する拘りはかなりのものであった。また、オールホーンシステムを自宅に備えた音楽・オーディオ評論家であった 高城 重躬(たかじょう しげみ、1912年~1999年)がSTAXのイヤースピーカーを高く評価しラジオ技術誌上で紹介したため、STAX製品はマニアに愛されることとなった。 私にとって常に気になるブランドではあったが、私には高価であったこと、1080年頃から超高級志向で手に取ることはなかった。唯一手にしたのはカートリッジを取り付けるシャルぐらいだろう。 ここ数年、QUAD 57に始まって静電型のトランスジューサへの関心は強まっている。たまたまジャンクのStax SR-5とSRD6を入手した。40年以上前の製品である。右の音圧が低いということであった。 プラスチックにはひび割れもあり、発音ユニットのプラスチックには、発音ユニットとヘッド・バンドを繋ぐピンが埋め込まれているがこれがすぐ抜けてしまう状況である。だが、行方不明になっていないだけましだ。この辺りはおいおい補修していきたい。 取り敢えず職場でアンプに繋いで聞いてみる。最初はちょっと神経質なハイ上がりの音。うーん、やっぱり高校のときの印象と同じか、としばらく放っておいた。半時間位してから聞くと、おっ、これは良いじゃないか。スピーカで聴くより良い。よし、家に持って帰ってじっくり調べよう。 アダプタSRD6の筐体を開いてみる。トランスレス構造は、現在は許されないんだろうな。消費電流は極少で、