静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 29
電源部も何とか形になってきた。MTP2P50EGが海を渡ってきて予定より少し遅れたが無事到着したので2SJ181Sのパラに入れ換えてみた。MTP2P50EGもすでに生産中止されているらしいので、ちょっと心配だったか、まだ在庫があるのだろう。ちょっと印字がかすれてはいるが偽物ではなさそうだ。MTP2P50EGのデータシートをみると寄生ダイオードは描かれているがゲート・ソース間のツェナーは描かれていない。ゲート・ソース電圧は最大±20 Vなので念のため20 Vのツェナーダイオードを2本突合せにして繋いでおく。2SK3067 の方は寄生ダイオードもゲート・ソース間のツェナーも描かれているのだが。
整流ダイオードにはすべてセラミック・キャパシタを直近でパラに入れた。足が磁石にくっつく廉価なキャパシタだが、整流ノイズを軽減する意味ではたぶん大丈夫。整流ダイオードの入り口のところにはスナバも用意したが、効果があるかどうかは未確認。
電源電圧は+300 Vと-400 Vに再調整した。スイッチを入れてしばらくは真空管のヒーターだけに給電され、20数秒後にプラスマイナス電源の給電が始まる。電圧の絶対値はじんわりと上がってから安定する。高電圧ツェナーの避けがたい特徴として温度特性が悪いのでちょっと安定性には欠けるが、大きな問題ではないだろう。基板に息を吹きかけると電圧が変わってしまうのはカッコ悪いと言えばカッコ悪いが実害はない。ツエナーに一般的なダイオードを直列に繋いで温度補償するのが一般的な解決法だが、今回の100 Vや133 Vでは直列に入れるダイオードの数が多くなってちょっと大変である。
プラスマイナスのそれぞれにアンプ側で入れた10 µFの電解キャパシタを取り除き1 µF630 Vのフィルム・キャパシタだけとしたが、安定化電源のおかげで問題はなさそうだ。そのうち、安定化電源のインピーダンス周波数特性を測ってみて問題があればまた改良すればよいと思う。単なる気のせいかも知れないが電解キャパシタを取り除いた後の方が高音がすっきりしていて私には好ましく感じる。
回路は以下の通り;
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