静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 35
電圧400 Vに対して耐圧400 Vとギリギリだった2.2 µFのフィルムキャパシタは630 Vのものに換装。初段のカソードのDCバランスの可変抵抗と電解キャパシタは次段との間が直結でもないので省略出来るかな、と試してみたが、2本の真空管の組み合わせによってプレート電圧に最大20 V位の差違が出るため、省略しなかった。電解キャパシタを取っ払えるかな、と一寸期待していたのだが、五極管の差動のバランスは結構クリティカルだ。
ついでに初段のカソードと次段のグリッドのポテンショメータに抵抗を入れ、接点にトラブルがあってもオープンにはならないように小変更。
本当は、2段目のカソードフォロワを省けないかとも思ったが、省けば高域が低い周波数から減衰するので難しそうだ。12AU6のB電圧を上げて負荷抵抗を下げると、ゲインと高域が両立するかも。気軽にインピーダンス変換できるためカソードフォロワって皆さんよく使ってるが、高い周波数で発振したりするので気難しい面もある。12AX7類はµが高いがrpも高く、したがってGmが低いため今回のような回路ではゲインのロスも少なく使いやすい。本機の条件ではカソードフォロワの出力インピーダンスは800~900 Ω。470 Ωを直列に入れてあるので1300 Ω程度か。6463の入力容量がミラー効果でそこそこあっても問題は無い。もちろん12AX7類はグリッド電流の流れやすい古典的三極管をドライブする場合のカソードフォロワには向いていない。そもそもグリッド電流の流れやすい球を低歪でドライブするカソードフォロワの設計は巷で言われるほど簡単ではない。
マイナス電源は-400 Vのままだが、電源トランスの結線と定電圧回路の定数を少し弄ってプラス側を320 Vまで上げた。LM334Zの定電流回路が2 V以下では働かず上側の6463の定電流性がバイアスが浅くなると保てないことへの対策としての実験的措置である。320 Vでも6463の定格は超えていない。当然そのままでは出力端子の電圧が上がったので、ほぼ0 Vとなるように再調整。
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