静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 22
初段プレートからカソードフォロワへの配線は、余裕の無いシャーシとでかいフィルムキャパシタのせいでラグ端子を用意してそれにフィルムキャパシタを固定しているため無駄に配線が長く、静電容量を介して結合すると寄生振動など不安定な動作を齎しかねない。何しろアンプの利得が60 dBもあるのだから。入力部に用いた2芯シールド線の残りを使ってみた。初段プレート~結合キャパシタ~カソードフォロワのグリッド迄で併せて20 cm位である。
2芯シールド線だから両方のグリッド回路同士、並びにグリッド回路とシールド部分の双方に数〜数十pF代の容量が入ることになる。インピーダンスは片側辺り70 kΩ弱(プレート抵抗100 kΩ//グリッド抵抗220 kΩ )なので高域のカットオフがそれなりに下がれば、それはそれでオーディオ用増幅器としては寧ろ妥当な特性になるのではなかろうか。
狭い筐体にさらに曲げにくいシールド線が入って窮屈ではある。シールド部分が他の配線とタッチしない様に配線してからビニールテープを巻く。本当は配線前にチューブをかませるとかした方がよかったな。
通電したところ特段の問題ない。10 kHz矩形波は特に位相補正せずにまあまあ素直な形に(左はL ch、右はR ch)。フォーカスが甘いのは失敗。以前見えていた小さなオーバーシュートは消えた。恐らく、シールド線へ換えた効果と思われる。
高域のカットオフ周波数は思った程下がらず、サイン波を入れてスイープしてオシロで観ている限りでは150 kHz辺りらしい。
音質?至って普通?矩形波にオーバーシュートが出ていた頃の方が魅力的だった気もするのだが… 個人的感想で恐縮だが、うちのジャンクSTAX三兄弟のSR-5改、SR-X MkIII、SR-Λ novaでは最も年嵩のSR-5改が相性が良いようだ。
2023.02.06誤字修正
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