静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 18

計測器の乏しいアマチュアにとって平衡型アンプの測定はめんどい。

今回も出力の両端子にオシロのCH1とCH2のプローブを付けて合成することで矩形波(方形波)を観察して(小さなオーバーシュートを見つけたが、合成せずに片側づつ観察すると殆んどオーバーシュートが見えない。どうなっているのだろう?

オーディオ用でなくMHz台までちゃんと出力されるファンクションジェネレータが欲しい。Gmの高い真空管やカソードフォロワ等、高い周波数で発振し安いにもかかわらず、気付き難い。オシロも岩通の古い40 MHzのだから、うんと高い周波数で発振とかされても分からないかも。

平衡→不平衡のインスツルメンテーションアンプをオペアンプで作っておこうかな。

最近は真空管アンプの自作には便利な小道具もあるが障害も多い。第一、部品の入手が難しい。真空管そのものも信頼性が高いものの入手は難しい。あっても高価。高いからと言って良品とは限らない。秋葉原も専門店がどんどん減っている。

信頼できるソケットも入手難。ステアタイト製でシールドケース付きのMTのソケットは7ピンも9ピンも国産の現行製品は既に無い。モールドのシールドケース無しならQQQ(中央無線)がまだある。これはなかなか良い。最近値上げされているが。

今回は7ピンシールドケース付はジャンク品を清掃して再利用。9ピンは海外製の金メッキのものを使ったが、真空管を刺した感じが妙に硬く、接触に問題は無いがピン元のガラスを傷めそうでちょっと怖い。9ピンはQQQの方が良かったかも。無線の高周波帯でもないし、ステアタイト製だからといって一概に信頼性が高いとは言えない。

ブロック電解キャパシタは全てジャンク箱から漁ってきた。頭の膨らんでのもあるし、基板自立型にバンドを巻いて使ったのもある。まあ、これらはまだ入手可能だが高価だ。

調整していた気が付いた。というか、何かおかしいと思っていたのだが。12AU6で約200倍、6463で約20倍で4,000倍位。結局利得の計算を間違って、どこかで半分の2,000位と勘違いしていた。恥ずかしいミスだ。

初段のカソード同士を無極性の電解キャパシタで繋ぐと裸利得は5,000倍を超えている。6dBのNFBを掛けているつもりで実際は14dBだった。ということは組み上げた当初の負帰還量は約18dBだっということになる。

それにしても何故?初段に使ったのは12AU6同等管で8426Aと書かれている。テクトロニクス用に選抜されたものらしいが、古ぼけた紙箱に入っていたNOSだ。特別にGmが高いのかな?

初段の共通カソードの定電流回路はTL431Cと2SC1815を用いた回路で、TL431Cへの電流供給には定電流ダイオードの代わりに2SK30A-GRを用いている。その定電流回路のマイナス電源はヒーター回路から取っている。ヒーターの配線はあっちこっち回っているので、悪さをしているかも知れない。MK11のときに温度補償型の9 Vのツェナー・ダイオードで好結果を得ていたことを思い出して。ジャンク箱をゴソゴソ捜してツエナー・ダイオード(5.1 Vを2本シリーズ)と電解キャパシタ(1000 μF 16 V)と抵抗(100 Ω)を1本追加して気持ちだけ安定化しておく。殆ど安心感を求めて行った改変である。しかし、あくまで私感だが、これは聴感に影響した。何故か明るくなった感じ。

一聴、大人しくて半導体アンプみたいだと感じたのは14dBというNFBの効果かも知れない。周波数特性も高い方は200 kHzくらいまではスッキリ伸びていて、少し減衰させた方が良いかも知れない。もっと負帰還を軽くしたいが、アンプの利得がこれ以上高くなっても使い難い。負帰還を軽くして、どっかにアッテネータを入れるというのも躊躇する。

18dBから14dBに負帰還量を減らしても、視聴している限り全体の印象は殆ど変わらないが、改修語は前回のMK17に比し特に左右のセパレーションがとても良い印象。MK17では電源の取り回しにはあまり気を使わなかったからかも知れない。聞きなれた曲でも左右から色んな音が聞こえてきて楽しい。不思議である。


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