SR-X MK3 ジャンクの修理2
うちのStax SR-X MK3 ジャンク君はアマゾンで購入した無印のイヤーパッドを両面テープで装着してからまずます快調なのだが、いつも1~2 dB程右側の音圧が高い。左側を分解清掃しても効果が無い。ソース側でバランス調整して聞いていたのだが、より高齢のSR-5君や少し若いSR-Λ nova signature君(どっちもジャンクだが)と聞き比べるときにはちょっと不便である。
恐らくは振動膜にわずかな導電性を与えているコーティングが不均等にはがれてきているのだろう、と勝手に推測してみた。SR-5の場合には静電防止剤のLicron Crystalをスプレーして左右の音圧が大体揃ったという経験がある。ただ、Licron Crystalをそのままたっぷりスプレーすると導電性が高すぎるかも知れない。電荷があまり動かないように、いろんな考え方があるようだが、私的には109~10 Ω□程度になるのが理想である。もっとも振動膜にレスキューシートのような金属を蒸着させた導電性の高い膜を使う方もおられる。この辺りは設計思想の違いと言えよう。
まず、左右ともに分解して振動膜Assyを取り出した。Licron Crystalスプレーには溶剤として2-プロパノール(イソプロピルアルコール)が入っているので、今回はLicron Crystalをガラスの小瓶にスプレーして2-プロパノールで4~5倍に希釈して眼鏡拭き用のマイクロファイバー・クロスで振動膜の両面に薄くのばすように塗ってみた。マイクロファイバー・クロスなら塗った面に繊維が残ることも少ない。2-プロパノールは水と違ってすぐ乾くので有難い。勿論メタノールやエタノール程ではないのだが。特に膜と金属製リングとの間は、ティッシュ・ペーパーをこより状にひねったものに溶液を浸して溶液が行き渡るようにする。面相筆があれば便利だろう。
振動膜Assyを元通り組付け、早速試聴。周波数によって多少違うが、左右のバランスが改善され、大体揃っているようだ。これで暫く聴いてみよう。
ヘッドホンに比べるとスピーカから出る音は気軽に聞き流せる。それほど細かなところまで気にしないですむ。一方ヘッドホンだと細かいところまで聴こえる、聴こえてしまう、というか、聴いてしまう。細かなところを無視できない、ということがだんだん分かってきた。テレビなど映像を見ながらスピーカで聴くと雑音も音質もそれほどは気にならない。視覚の影響は偉大である。1950年代の古い録音だとヘッドホンではちょっと辛いような気がする。私だけかもしれないが。また、LPステレオレコードで一時期流行った疑似ステレオとかも不自然に感じることがあるようだ。ヘッドホンはイージーリスニングには向かないのかも知れない。つまるところヘッドホンとスピーカは両方必要なのだ。(2022.02.19)
アンプ部は小さなシャーシに組んだので温度上昇が半端でない。真空管とセメント抵抗が主な熱源だ。以前コントロール・アンプの電源用筐体に用いたLEAD社製のラック用ケースを転用する予定にした。表と裏のあちこち空いている余計な穴は最小限アルミ板で塞ぐか、あるいは表も裏も無垢のアルミ板で作り直すか。(2022.03.01)
我が家のSTAX製の管球式ドライバ(SRT006?)も発熱が半端じゃないです。夏場は上蓋を触ると火傷の危険すらあります。部品の熱ストレスも相当なもので寿命が心配で使う時は上蓋をファンで冷却しています。近いうちに上蓋を少し浮かせ内部にファンの風を送り込む強制冷却に改造予定です。
返信削除STAXはSR-3からの付き合いで長く使うにはいろいろ神経を使いますが音には代えられませんね。
コメントありがとうございます。火傷も怖いですし、上にカーテンとか被さったりしたら火事の危険もありますね。気温が上がらないうちに対策を考えたいです。
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