静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプ 10
静電型(コンデンサ型)ヘッドホン専用アンプは前回の失敗から、もっと単純で安定な回路を考えた。まだ、習作段階で、これから細部を詰める。取り敢えず回路図を載せるが、B電源は700 Vを超えているので、真似して感電しても当方は責任を取らないことを記しておく。私自身、前回のMK-14の電源部を利用して、解体したMK-14の部品を使ってバラック配線で試している段階である。今回も抵抗やキャパシタの値は記入しない。
入力はライントランスで平衡化して初段は12AY7。直結で終段は6463。普通の抵抗負荷でキャパシタで直流を切って出力端子へ。
日本光電のトランスは簡易計測の結果なかなか素直な特性のようだったので二次側には何も入れていないが、今後、特性によってはシャント抵抗を入れる。初段も出力段も双三極管はユニットのばらつきがあるので、終段のプレートの電圧差がほぼなくなる様に初段のカソードに入れた可変抵抗器で調整する。
初段には12AY7を採用した。勿論、入力トランスを使わず共通カソードに定電流回路を入れて差動にして位相反転もさせるなら12AX7Aでもいいのだが、トランスを使うと明らかにゲインが余る。12AY7でもゲインは十分すぎるので、もう少しローµの球でも良いかも知れない。
初段のプレート電圧が100 V程度で、終段のプレート電流が1本当り11 mA程度で終段のプレート損失が定格を超えない程度に設定。6463にとっては結構厳しい条件ではあるが、意外とタフな印象。6463は6FQ7(6CG7、6SN7)をパラにしたような特性で結構直線性も良い。ヒーターに関しては7044や5687程の大喰らいでもない。コンピュータ用の球だったせいか以前プリアンプに試したときはマイクロフォニック・ノイズが気になったが、今回のような使い方では問題無い。12BH7Aとかでも良いのだろう。12BH7Aはなかなかタフな球で今までもしばしば使ったが、個人的には球のばらつきが大きいという印象がある。今回は手持ちが充分にある6463を採用した。
バラック組みの空中配線でハンダもチョン付けで作ったためイモはんだになっていたところを修正し、Stax用のソケットのトップビューとボトムビューの間違いを直したりと、例によって配線ミスを修正しながら各部の電圧を調整した。特段発振もしていないようなので、SR-5やSR-X MK3やLambda Nova Signatureを繋いで、PCからの音源で聴いている。特段問題無さそう。夫々のヘッドホンの違いが良く判る。(2021.12.30)
ゲインが高く、PCからの入力ではちょっと扱いにくい。球のばらつきが結構あるのか初段のカソードに入れた可変抵抗器ではゲインを合わせきれない。そこで、下図のように-6 dB程度の負帰還を書けることに。直流バランスの調整と負帰還を切り分けるために電解キャパシタを入れた。
これで結構使い易くなった。入力トランスの二次側は抵抗を入れた方が良いかも知れない。(2021.12.31)
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