Acoustat 3 (2)
さて、裸のAcoustat Model Three (3)なのだが、裸というよりスケルトン君と呼んだ方がカッコいいかな? 下図の所謂C-modを施したものだが、快調である。C-modに際しては赤く囲った方法を採用した。10 Ωは30 Ω 10 Wのセメント抵抗を3本パラだ。
今の所、下の画像のように椅子に立て掛けて聴いている。
最高音域の方は13 kHz辺りに一寸したピークがあってそこから急峻に下がっているが、このピークはひとつにはトランスと発音ユニットの共振であり、部分的には測定系のせいでもあろう。MySpeakerのマイク補正を利用して下図のように多少補正をしたのだが、一寸うねっているので。いずれにしろ我が駄耳では残念ながら最早ほとんど聞こえない領域だ。13 kHz辺りのピークはAcoustatのインターフェイス・ユニットMK-121-2Aのレオスタットのつまみである程度調整できるはずである。この特性なら、ちゃんとしたフレームを作ってやろうかという心持ちにもなってくる。15 kHz以上が急峻に落ちるのは振動膜が比較的厚い(16.5 µm)せいもある。買い置きのある厚さ4 µmのものを使えばもう少し高いところまでフラットにできるだろうが、聞こえていない帯域なので振動膜が破れでもしない限り手を出すつもりはない。むしろ高音域用のトランスを換えて共振をもっと高いところに持っていく方がまだ現実的だ。
無線と實験ではインピーダンスの周波数特性も測定しており、50 Hzで16 Ω、1 kHz~2 kHzでは6 Ω、7 kHzで4 Ω、16 kHzで2 Ω程度となっていて、創業者のJames C. Stricklandの著したThe technology of Full-range-element Electrostatic Loudspeakersに載っているMK-121のインピーダンス特性と比べると低音域で上昇している。これは高音域用のトランスの低域遮断周波数が上がりアンプ側から見た低音域のインピーダンスが並列に入る低音用のトランスにより依存するような回路の変更によると考えられる。
インターネット検索をするとAcoustat Model Three/M(3M、モジュール型のフレーム)の特性を同じMySpeakerを使って測定しておられる方を発見した。同じ発音ユニット3枚である。インターフェースはオリジナルのMK-121であろう。レオスタットの位置を変えて測定しておられるので貴重な情報である。オリジナルのMK-121であればC-modのスケルトン君とは直接比べられないが、レオスタットを右に回し切ると13 kHz辺りにピークが出来、12時の位置でピークが大分低くなり、左に絞り切るとピークが無くなり高い周波数に向かって徐々に素直に減衰しする。ご本人は1時の位置がベストとの由。C-modを施したスケルトン君もレオスタットの位置を変えて丁寧に測定すべきだったかな?(2021.01.23)(2021.01.24一部改変)。
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