備忘録2021.11.19
備忘録 最近の修理等
QUAD 405-2の筐体に仕込んだTPA3255アンプが帰ってきた。結合キャパシタに使われている表面実装キャパシタ(SMC)をWIMAの小型フィルム・キャパシタに換えたいと思い、はんだ鏝でチョイチョイやっていたら、パターンを剥がしてしまった。さあ大変。剥げた細かな銅箔を修正するのは老眼にはつらい。仕方がないので新しい基板を購入することに。銅箔がはがれた方は、ゆっくり修正しよう。
こんどは慎重にはんだ鏝を2本使って新しい基板からSMCを6個外、WIMA MKS2 10 μF 50 V(多分本物)のリード線をひねって取付ける。いくら小型のMKS2といってもリード線をひねって90°向きを変えないとこの基板には納まらない。リード線があと1~2ミリ長いとやり易いのだが。。。
基板の入出力端子等は全て取り外す。スピーカ端子へのコードの丸型端子は基板にネジ止め。電源コードも同様。入力端子からのシールド線はRCAジャックを取り外してはんだ付け。
このQUAD 405-2の皮を被ったデジタルアンプは仕事場でAcoustat 3の裸のユニットに接続。それまで使っていたAudio of Oregon CC-2改とどう違うかなと聴いてみる。ちょっと硬質だが、スッキリ、シャッキリしている。透明感があって宜しい。どちらかと言えば豪快というか野性的なCC-2改とは対照的。
知人のQUAD 66 PRE。落下させたとかでなかで部品がカラカラ転がっているらしい。
開けてみると手の入らない基板の下から嵌めて回転されて固定されている筈の小型の電球が落ちている。これを戻すのは結構厄介で、基板を斜めに持ち上げて手を突っ込んで電球を元に戻した。
あと入力切替とか接触の悪いところある。それ以外にアチコチ経年劣化の兆候も見られるが今回は接点を磨く程度で下手にいじらず。AUX1とAUX2で音出し確認。長期間使用されずに保管されていたものと推察。
同じく知人のSONY MDS-JA30ES。トレーが出てこない。
まず筐体の上面を開け、入ったままになっていたミニディスクを何とか取り出したところ、シャッターのアルミ部分が変形していた。新品のミニディスクを購入して試してみるとトレーの出し入れはできるが、ディスクが回らず当然ながら読み込まない。そこで、今度は筐体の底面を開け、駆動部のゴムベルトを見ると案の定伸びている。ゴムベルトをお湯で煮るとちょっとちじんだのか、読み込みできるようになった。ただ、トレーの動きがぎこちない。新しいゴムベルトに交換しないとすぐ駄目になるだろう。
1.6mm☐、直径50mmのゴムベルトを千石電商から通販で購入。取り換えたら正常にディスクをローディングでき、出力も問題ない。透明感のある音で、色付けは少なく悪くは無い。ただ、現在の持ち主の好みよりちょっと硬めの音色のように思う。
同じく知人のLUXKIT A3400。
ノイズがある。AUXからは一応音が出ているが何か変。PHONO EQUALIZER部は発振しているようだ。
A3400は今から40年以上前のもので、わたしのようなアマチュアが組み立てたもの(LUXKIT)らしくはんだ付けもあまり上手くない。作成者なのか、その後の持ち主なのかはわからないが、組立て後、大分手を入れた形跡がある。当時のLUXに特有の電源のコネクタを嫌って直に電源コードを結線したのだろうか?筐体に15mmΦ位の穴を開けた跡がある。後でふさいであるのだが。
電源のコネクタはIEC320(IEC60320)型のレセプタクルで外から装着するタイプだと筐体の孔がそのまま使えるので、さっさと交換。
スイッチオン後数十秒出力をカットしているリードリレーはバイパスされているし、いくつか部品も換装されてる。何故か結合キャパシタは小さい容量のものに換装されている。
スイッチ類は接点復活剤か何かをスプレーしたようだ。そのせいかどうかは不明だが、この機種の特徴のひとつであるマイク入力ジャックのプラスチックが劣化して固定されていない。
PHONO EQUALIZER部は要らないということなので基板ごと除去した。ただ、真空管のヒーターが7本直列に給電されているので、3本分の電圧を降下させるためセメント抵抗を入れた。
ローカット・フィルタに変な症状があった。ローカット・フィルタのスイッチを15 Hzにすると音量が半分くらいになり、さらに80 Hzにすると元のローカット・フィルタ無しのときと同じ音量に戻る。このフィルタ回路の基板が手を入れにくいところにある。使われている抵抗の値はおかしくない。原始的な方法だが棒の先で部品の頭をつついてみたところ、基板裏で銅箔の浮いたところが見つかった。基板の銅箔が切れていた。ジャンパーを飛ばして導通を回復。ローカット・フィルタがなしでも15 Hzでも80 Hzでも音量は一定となった。なお、先の故障した状態では15 Hzの時が正常な音量だったことが分かった。
B電源のデカップリングもPHONO EQUALYZER回路を取り去って不要になったところはデカップリング抵抗をショートし、電解キャパシタが並列に入るようにした。回路で消費する電流が減った分、電解キャパシタにパラに抵抗を入れた。これは電源スイッチを切った後電解キャパシタが放電することを助ける。
最初は各段に供給されるB電源の電解キャパシタにパラに2.2 μF 400 Vのフィルム・キャパシタを入れてみた。スッキリ、シャッキリした音でハイレゾ好みむきというか、娘に言わせると若者向きの音だそうで、現在の所有者には合わないような気がした。そこでフィルム・キャパシタを取り去り、10 μF 450 Vの汎用の電解キャパシタ(残念ながらリードは磁性体)を近所のホムセンで買ってきて換えたところ、むしろこちらの方が好ましい。娘の言によれば、悪い意味ではなく微妙な色収差がある画像のような、というかソフト・フォーカス。異種のキャパシタのパラは高周波域で共振が生じたりとなかなか難しい。最近の汎用電解キャパシタはESRもESLも結構低いし、古い電解キャパシタにパラで入れるのには向いているかもしれない。もし音がボケているといわれたら、これに加えてフィルム・キャパシタをパラに入れるのは良いかも知れない。
B電源の整流ダイオードはRA-1(多分400 V 1 A)という古いタイプでリード線も真っ黒(酸化?硫化?)なので交換することにした。部品箱に転がっているいつもの1N4007でも良いのだが、高周波域のノイズ低減を期待して高速のUF2010(1000 V、2 A、75 ns、但し順電圧降下はちょっと大きい)に換えた。また、ダイオード・ブリッジと電解キャパシタの間に150 Ωを入れた。導通角をちょっとでも広げてダイオードと電解キャパシタ、そして電源トランス巻線の電流のピークを下げられたら、と思ったのだが、あまり意味は無いかも知れない。PHONO EQUALYZER部がなくなって電源電圧は高めなのでこの抵抗による電圧降下は気にならない。
リードリレーはバイパスを外した。リードリレーそのものは正常に機能する。なぜバイパスされていたかは不明。スイッチ・オンから45秒程度で音声信号が出力されるようになった。使用されていたのはこの時間を待ちきれないイラチの方だったのかな?
コメント
コメントを投稿