SR-5 driven by 50CA10 (5)
MK-13の低音に就いては、12AX7Aと12FQ7カソードフォロワの間の0.05 µFのマイカ・コンデンサを大量に余っている0.018 µFのフィルム・コンデンサに換えてみようかとも思ったのだが、0.018 µF 4 kVのフィルム・コンデンサはあまりにもデカくて諦めた。代わりに入力部に1 µFのフィルム・コンデンサを入れた。接続するPCやプリアンプの出力に直流が漏れていると初段の12AX7Aの動作点が狂うのだが、これで安心だ。なお、入力部の遮断周波数は約1.6 Hz、12AX7Aと12FQ7カソードフォロワの間が約3.2 Hz、そしてSRD-1モドキが約0.4 Hzである。
SR5の特性を測定してみたいと試みたが、はっきり言って難しい。
マイクの設定の仕方、固定の仕方でガラガラ変わる。プラスチックの板にマイク(WN-62PC)を取り付けて測定を試みたのだが、ヘッドホン本体を板に押し付けて密着度を上げると低音域が充実する傾向がある。WN-62PCは10年?位前に確か秋月電子で4個100円也で購入した無指向性のコンデンサ・マイクである。50 Hz~10 kHzはほぼフラットらしい。WN-62PCの出力はオペアンプで20dB程増幅してMK-13に繋いだ。
測定ソフトはBachagi.h氏が以前公開していたMySpeakerである。公開は中止されているようだが、試用し続けていいんですよね?
現在の家用PCには独立したマイク端子が無く、急遽安価なBUFFALO USBオーディオアダプター BSHSAU105BKを購入した。当初、BSHSAU105BKのマイク入力部が低音をカットしてあることに気が付かず悩んだが、そのヘッドホン用出力端子とマイク用入力端子を直結してその特性を把握したのが下図である。
この測定を基に、MySpeakerのマイク補正機能を利用して補正したところ下図(上:右チャンネル、下:左チャンネル)のような測定結果を得た。測り方でコロコロ変わるので、あくまでもアマチュアがリペアしたジャンクのSR5を、アマチュアが手作りの装置で測定した結果の1例である。
100 Hz以下は予想通り慎ましやかだが、意外にフラットだな、というのが感想だ。私の駄耳には十分であろう。ただ、出力レベルをきちんと把握していないし再現性に乏しいので公表は避けるが100 Hz以下の帯域の歪率はあまり芳しくない。特に右チャンネルは。一方、100 Hzより上では概ね1%は切っているようだ。1 kHzでは0.3%とか。本当かな?
上の図は正弦波をスイープして測定した結果だが、ホワイトノイズで測定したのが下図である(上:右チャンネル、下:左チャンネル)。正弦波での測定に比べ低音域はしっかり延びているように見える。何故違いがでるのか?よく分からないが。50 Hzのピークはどこかで商用電源の影響を得たものと思う。
https://diyaudioheaven.wordpress.com/headphones/measurements/stax/
https://www.superbestaudiofriends.org/index.php?threads/one-day-ticket-for-stax-galaxy-the-stax-compendium.1976/#post-49735
これらの測定ではSR-5の低音域はしっかり延びているようだ
徐々に測定に慣れてきたのでクロマチックでの測定も試みて、下に示す(上:右チャンネル、下:左チャンネル)。
IEC60318-1の人工耳アダプタを真似て、ちょっと小さめながらプラスチック板の上に百均の即硬タイプのエポキシ・パテを捏ねて盛り上げてみた。3 kHz以下はスムーズだが、8 kHzにピークが出るのがこのアダプタの特徴か。円形のSR5の真ん中にマイクが来るようにすると大きなピークやディップが観察され、ちょっとずらすと結果がコロコロ変わる。アダプタをどうすればいいか判らない。もう少しIEC60318-1に近づけてみるか。一体私の耳は何を聞いているのだろうか(2021.01.05)。
気を取り直して、エポキシ・パテを捏ねて人工耳アダプタを更に盛り上げてみた。また、イヤー・パッドとの密着性を考えて使い古しのCDRを入れてみた。
円形のSR5の真ん中にマイクが来るようにして少しずつ動かしてみたが、今度はあまり変化しない。正弦波のスイープの結果を下図(上:右チャンネル、下:左チャンネル)に示す。
2 kHz辺りのディップと6-7 kHzのピークが今回のアダプタの特徴かもしれない。いっそのことシリコンゴム製の耳の模型でも付けて測定するというのも面白いかも知れない。自分の耳のレプリカとか面白そうだ(2021.01.06)。
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