Stax SR-5 with SRD6 (3)

Stax SR-5専用のアンプで、静電型スピーカーのダイレクト・ドライブの予習をするか?だいぶ容量と必要な信号電圧が異なるので考え方がかなり異なる。SR-5専用なら三極管のPPとか差動PPでも良いが、五極管のCSPPも悪くない。贅沢に300B差動PPでプレートから取り出すのもあり。6CG7や7044のSRPP BTLも良いし、6BM8の三結PPとか五結CSPPもあり。6BM8の場合は内部シールドが5極管のカソードに接続されているので、差動とかCSPPの場合はそれが接地されず最悪の場合発振の可能性もあり、どう対処するかが課題。

今まで発表されている専用アンプを見ると、利得を大きくとったものが多い。おそらくはStaxの旧来の製品が60dB程度のためだろう。ノーマルバイアス機で96dB/100 V、プロバイアス機で102dB/100 Vとすると、0.1 Vの入力で100 Vの出力というのは、昔のLPレコードをRIAA EQから直に繋ぐのには都合がよかったであろう。今のCDプレーヤやPCのヘッドフォン端子等の出力は0.5~1 V前後出るので、一旦マイナス20dB近く絞ることになる。直接CDプレーヤやPC等に繋ぐことが前提の専用アンプの場合は40dBプラスαの利得があれば良い、と考えると設計が楽だ。それで本当に使い難くかったら専用のコントロールアンプを考えても良い。ヘッドフォン(イヤースピーカー)で難聴にはなりたくないので、極端な高出力は無用ということにしておこう。

実際にどれくらいの出力電圧が必要なのか気になったので、常時SRD6に接続しているアンプ(AVレシーバーでパワーアンプはデジタルのPioneer VSX-S510) のスピーカー端子をオシロスコープで観測したところ、私の場合には通常はせいぜいpeak-to-peak で500 mV、大きめの音で聴いて瞬間的にpeak-to-peakで1.5 V。SRD6の昇圧比が凡そ1:50。イヤースピーカーの電極間で25 V~75 Vとなる。RMSだと凡そ9 V~27 V。こちとら蒸気機関車の音やジェット機の音を間近で聴きたい方ではないのでかなり小出力のアンプで良いことになる。昔、6SN7 の自作アンプで十分実用になったのはこういう事情だろう。やはりアンプの利得は40dB、出力も50 VRMSもあれば十分ということになる。むしろ低ノイズ、低歪に注意を払うべきだろう。



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