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Martin Logan 6

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ここから先はまだ構想中で、すべて頭の中。 発音ユニットの設計 縦にスパーを数本入れ、振動膜を縦長の短冊形にするとして、その幅はどうしようか?等間隔がいいのか、それとも共振周波数をずらす目的で異なる間隔(幅)にするか(下図)。 膜へ張力を加え、組み立てるための装置 例によって四角い穴をあけたMDFボードが現実的だろう。振動膜を蒲鉾状に引っ張る仕掛け(枠)が必要だ。固定した状態で両面に半導体膜を塗布する。さらに、膜を後ろ側ステータに乗せるためには、ステータをあらかじめ蒲鉾状に固定する台が必要で、ステータに周囲のスペーサ(2ミリ厚)とスパー(2ミリ厚)を両面テープで接着し、その上に導電性両面テープをはり、さらにその上から治具に固定した振動膜を下ろしていくことになる。上下のスペーサはしっかりした接着剤で接着した方が良いだろう。デルリンは製品の段階でおそらくコロナ処理とかしてあるようで、あまり接着で苦しみはしないようだ。むしろ両面テープの接着剤をはがすので苦労している。ただ、上下のスペーサがはがれると膜の張力が失われるのでここは注意したい。 MDFボードの枠でマイラーの振動膜(3μ厚のマイラーを入手済み)を引っ張ったらMDFが曲がるかもしれないので、角材かL字材(鉄かアルミ)で補強だろう。 位置決めをしながら、下からステータがせりあがるか、上から振動膜が下りるような仕掛けが必要。ESL修理の専門店(例えば、Shackman-reromanus)には専用の治具を開発しているところもあるが、せいぜい左右2台しか扱わない私には無縁である。いや、無縁であってほしい。何回も何回も試作を繰り返したくはないから。 さらに、その振動膜の上に、下のと同じ位置に導電性テープを貼り、スパー(2ミリ厚)と左右のスペーサ(2ミリ厚)と上下のスペーサ(1ミリ厚)を接着し、裏表の周囲の導電性テープを発音体下部で接続し、バイアス電源用のコードに接続。なお、上下のスペーサは2ミリ厚ではなく、1ミリ厚にするのは湾曲に沿わせるためだけでなく、ここに一旦振動膜を折り返して接着し、さらに1ミリ厚のスペーサを乗せて(つまり2枚重ねで間に折り返した振動膜を挟み)、簡単には抜けないようにする。そして、周囲のスペーサとスパーの上に両面テープを貼り、上から前面のステータを重ねて接着。ただし、うまく

Martin Logan 5

ESLの振動膜のコーティングについてよく話題になる。Diyaudio等で交わされているいろんな議論を集約すると、大切なのは; ・均一な薄膜を形成し、振動膜に大きな質量を付加しないこと ・適切な表面抵抗を有すること ・湿度で表面抵抗が変化しにくいこと ・UVで分解しにくいこと(特に、martin Loganのような布カバーのないタイプ) である。 素人考えだと、金属蒸着膜などを持ち出して来そうだが、それはまずいらしい。中学生のころキッチンのアルミ箔を木の板の枠に接着し、ブリキの枠にスズメッキ線を並べてハンダ付けして原始的な発音ユニットを作ったことがある。直径6センチくらいで、膜と電極は5ミリ程度。バイアスは真空管アンプのB電源。出力管のプレートからコンデンサーを介して繋いでみたところ、ごく小さな音、しかも高音域しかでなかったが、澄んだ音は憶えている。アルミ箔でも音は出るが、振動膜の中で自由に電荷が動き回るのはひずみの点でまずいらしいことは1950年代から論じられている。つまり、constant voltageではなくconstant chargeでないといけない。 参考)Waker P J 1955 Wide range electrostatic loudspeakers.  Wireless World 208 - 211, Aug. 1955. 探せばもっと古い論文も見つかるだろう。 このWakerこそQUAD ESL57を作った人である。むろん製品としてのESLの元祖はJanszenだろうが。。。Janszenのはツイーターだったが、QUADは低音域、中音域、高音域の発音部と定電流駆動を組み合わせて音声帯域全域をカバーする3-wayの静電型スピーカに仕上げた。 その分、QUAD ESL57は3-wayとして完成されていて、いじり難い。1957年に得られる材料で最高の妥協を行い。素晴らしい製品に仕上げている。オーディオ機器を作り上げるのに大切なことはどこでどう妥協するかである。よく広告に「妥協を排して…」とあるが、あれはオーディオ・マニアを引き付けるための釣り書きである。多くのオーディオ・マニアはその文言を他のマニアに喋って自慢したいので、すぐ釣られてしまう。しかし、製品は、本当は妥協の塊なのだ。どういう高いレベルの結果が得られる

Martin Logan 4

新しい職場への、片道3時間弱の通勤を始めて半年。しんどいが慣れた。一日のうち6時間近くを通勤に取られると、さすがにジャンク・オーディオをいじっている暇はない。家に帰るともう眠いのである。しかも、暑い日が続くが、懐は寒いのである! 以上のように分解したMartin Logan (ML社)CS IIaの組み立てはリソース(時間と予算)不足で見通しが立たない。 仕事場では、BGM用にDS500 (DIATONE)をR-SA7 (KENWOOD)で駆動している。音源はPCの中だ。どうせ大きな音を出せる環境ではない。DS500は以前なかなか柔らかくならなかったエッジが自動車のブレーキ・フルイドで嘘のように柔らかくなった。R-SA7は接触不良を起こす出力部のリレーを取換え、発条の弱った出力端子をバナナプラグ用のジャックに換えたので、まだまだ使えそうである。スピーカの音は少々不満で、本音を言えば、家のESL57改を持っていきたい。 ヤフオクにAcoustat model 3 +MK-121-2とかオリジナル箱入QUAD ESL57といった静電型スピーカー(Electrostatic Loudspeaker, ESL)がぽつぽつと出品されているので大いにそそられるが、ガマンガマン。でも、仕事場にひとつ欲しいなあ。。 その影響もあってAcoustatについていろいろ調べてみた。低域・中域用のトランスと中域・高域用のトランスを使って、巻き線比の高い大型のトランスの弊害(特に高域)をうまく逃れている。もっとも普通に考えて二個のトランスをつなげば高域に深いディップとか生じそうである。 また、当初の回路には難があり、中域・高域用のトランスにも低域の音声信号が入力されてコアがサチっていそうだし、発表された改変回路は高域調整のボリウムを絞るとアンプの出力端子にでっかいコンデンサ(220μF+10μF+0.1μF パラ)がパラで入るという変なもの。最終的にC-modと呼ばれる改変回路ではシリーズに入るコンデンサの容量が小さくなり、中域・高域用のトランスへの低域信号の入力は減り、きちんと抵抗と可変抵抗で分圧された音声人号が中域・高域用のトランスに入力されるようになった。が、それでもアンプから見ると計16Ωの抵抗が常に出力にパラに入って熱を派生させるという地球にやさしくない仕様で